d払いタッチ 20%還元 3/19に早期終了 Visa割に続きお前もか……

私はわりと、ポイント還元というものに人生を預けがちな人間である。
スーパーの安売りにはそこまで走らないくせに、「20%還元」と書いてあると急に目の色が変わる。人間の欲というのは、実に細かいところで正直なのだと思う。

そんな私が、ひそかに大事な枠として取っておいたのが、d払いタッチの20%還元である。
3月2日から始まって、15,000円使えば3,000ポイント。しかもdポイント10%増量と組み合わせれば、なんだかものすごく賢い人みたいな立ち回りまでできる。こういう「うまくやれば得をする」という話に、私はたいへん弱い。自分が急に家計の軍師になったような気がするからである。実際は、コンビニでお菓子を買う時にニヤニヤしているだけなのだが。

ところがである。
その大事なd払いタッチが、3月19日で早期終了とのこと。
お前もか……という気持ちしか出てこない。
ブルータス……。

この「お前もか」は、昔、楽しみにしていた給食のデザートが、教室に着くころには欠品していた時の気持ちに少し似ている。私はあの頃から、どうも限定とか先着とかに弱いのである。早い者勝ちの世界では、たいてい出遅れる。そして後から「あのとき動いておけば」と、冷めた焼きそばパンみたいな後悔を噛むことになる。学ばない人間だと思う。

しかも今回は、Visa割に続いての早期終了ラッシュである。
こちらとしては、あれとこれを組み合わせて、1,000円以上はVisa、1,000円未満はd払いタッチ、さらに増量ポイントを出口にして……と、めずらしく脳みそを働かせていたのに、キャンペーンのほうが先に走って行ってしまう。計画を立てた人間だけが取り残される。なんともやるせない。

そもそもd払いタッチという名前も、少し油断ならない。
「d払い」とついているので、ふつうのd払いの仲間かと思えば、iDだったりVisaタッチだったり、しかもVisa割の対象外だったりする。親戚の集まりで見たことある顔なのに、名前と関係性が最後までよくわからない人みたいである。こちらは「お得」という一点だけを見て近づいているから、余計に混乱するのだ。

それでも私は、この手のキャンペーンを見るたびに思う。
現代の買い物は、もはや買うことそのものより、どう払うかのほうが長い。パンを一個買うのに、還元率と上限と対象外条件を確認している自分は、いったい何をしているのだろうと思う。でも、そこを考えている時間が少し楽しいのだから困る。趣味なのか節約なのか、もう自分でもわからない。

d払いタッチの20%還元は終わってしまう。
大事に温存していた枠は、だいたいこうして使う前に消える。人生もポイントも、「今度にしよう」と思ったものから先になくなるのかもしれない。などと少しだけ深いことを考えたが、たぶんそこまでの話ではない。

結局のところ、キャンペーンというものは、桜みたいなものなのである。
咲いているうちに見に行かないと終わる。
そして私はまた、次の還元を見つけては「今度こそ早めに使おう」と思うのだ。毎回そう思っているので、たぶん次も間に合わない。

JR西日本WESTERポイント全線フリーきっぷで中学生の卒業旅行|ローカル線と朝ドラ聖地・松江出雲を巡る息子の鉄道旅

先日、息子が一泊二日の鉄道旅から帰ってきた。
JR西日本のWESTERポイントで交換できる「全線フリーきっぷ」という、なんとも夢のあるきっぷを使った卒業旅行である。

中学校の卒業祝いに「どこか行きたいところある?」と聞いたら、即座に
「ローカル線に乗りたい」
ときたので、私は思わず笑ってしまった。普通ならテーマパークとか、せめて都会のショッピングモールとかを想像するのだが、うちの息子は電車なのである。

そんなわけで、博多から新大阪までの新幹線を含め、JR西日本のほとんどの電車に乗れるというフリーきっぷを用意した。
これがなかなか豪快なきっぷで、乗ろうと思えばかなり遠くまで行ける。

ただし私は内心、
「まあ、せいぜい岡山くらいまでじゃないのか」
と勝手に思っていた。

ところがである。

帰ってきた息子の話を聞くと、松江だの出雲だの、私の想像よりはるかに遠くまで行っているではないか。
しかもローカル線をいくつも乗り継ぎながら。

親戚の家にも一泊させてもらい、ちゃっかり旅の拠点まで確保している。
中学生のくせに、やけに旅慣れているのである。

松江では、いまNHKの朝ドラの舞台になっている小泉八雲の住まいも見てきたらしい。
写真も見せてもらったが、私は正直なところ、八雲の家よりも息子の撮ってきた電車の写真のほうが多いことのほうが気になった。

どこへ行っても、結局は電車なのである。

そういえば、私が中学生のころはどうだったかと思い出してみた。
たぶん休日は家でゴロゴロして、テレビを見たりゲームをしたりしていたはずだ。

遠くへ行こうなどという発想は、ほとんどなかった。
電車に乗るとしても、せいぜい近所のショッピングセンターである。

それに比べて息子は、時刻表を調べてルートを組み、ローカル線を乗り継いで知らない土地まで行ってしまう。
私は感心しつつ、少しだけ不思議な気分になった。

同じ親から生まれているはずなのに、この行動力の差はどこから来るのだろうか。

もしかすると、私は「面倒だな」と思うタイプで、息子は「面白そう」と思うタイプなのかもしれない。

そう考えると、人生はわりとシンプルにできている気がする。
面白そうと思った人はどこまでも行き、面倒だと思った人は家にとどまる。

私は長いあいだ、わりと家にとどまっている側の人間である。

もっとも、それが悪いとも思っていない。
家でゴロゴロするのも、それはそれでなかなか快適なのだ。

ただ、息子の旅の話を聞いていると、ローカル線というものに少し興味がわいてきた。
ゆっくり走る電車に乗って、知らない町の駅に降りるというのも、案外いいかもしれない。

とはいえ実際にやるかと言われると、たぶんやらない気もする。

私はきっと、
「いいなあ」
と思いながら、家のソファに座っているタイプなのである。

まあ、それはそれで悪くない人生だと思うのだ。

次はいつ「フリーきっぷは取れるのか?」。とのことだ。いいきっぷをありがとうJR西日本。

ETCマイレージ 失効 注意 年度末 ポイント交換を忘れたくない人の、あぶないあぶない話

年度末というものは、どうしてこう人をせかすのだろうと思う。
べつに誰かに追い立てられているわけでもないのに、三月になると急に「やっておいたほうがいいこと」が、押し入れのすみからぞろぞろ出てくる。確定申告だの、保険だの、使っていないアプリの整理だの、私の頭の中は年末よりもむしろ年度末のほうが散らかるのである。

そんな中、ふと思い出したのがETCマイレージだった。
思い出した、というより、正確には「そういえばあれ、どうなってるんだっけ」と、半分いやな予感をともなってサイトをのぞいたのである。すると、そこに出てきたのが「2026年03月末日まで有効なポイント 575ポイント」という表示だった。
五百七十五ポイント。
なんとも絶妙な数字である。多すぎて見過ごせないが、少なすぎて王様みたいな顔もできない。財布の中で見つけた千円札ではなく、冬のコートのポケットから出てきた五百円玉みたいな感じだ。うれしいが、危なかったなという気持ちのほうが強い。あぶないあぶない。

私はこういう「失効しますよ」というものに弱い。
ポイントとか、クーポンとか、引き換え期限とか、そういうものを前にすると、人は急に小市民になる。いや、私は常に小市民なのだが、よりいっそう小さくなるのである。
昔、パン屋でもらったスタンプカードを大事に持っていたことがある。あと一個で食パンがもらえる、というところまで来て、満を持して店に行ったら、カードの有効期限がきれいに切れていた。あの時の私の顔は、たぶん雨の日にぬれた段ボールみたいだったと思う。へなへなである。

ETCマイレージも、仕組みを知るとわりとまじめにできている。NEXCOなんかでは10円で1ポイントつくけれど、だからといって何でも10%還元というわけではない。1,000ポイントで500円分なら実質5%、3,000ポイントで2,500円分なら約8.3%、5,000ポイントで5,000円分になってようやく10%である。
なんだか算数の時間のようだが、こういうのは知るとちょっと楽しい。人は「お得」という言葉に出会うと、急に計算だけは熱心になる生き物なのだと思う。
月に一回、往復8,000円くらい高速に乗る人なら、年間でそこそこ貯まって、数千円分の無料通行になるらしい。こう書くと、かなり立派である。節約上手の人の家計簿に載っていそうな話だ。私の場合は、そこまで計画的に生きていないので、「なんか貯まってた。消えるところだった」が現実に近い。

しかもETCマイレージは、登録していなければ一切貯まらないし、あとから「あのときの分もお願い」と言ってもだめだという。ここがまた厳しい。人生にはわりと情状酌量というものがある気がするのだが、ポイントの世界は冷たい。
さらにポイントは道路事業者ごとに別々について、付与された年度の翌年度末、つまり三月末で失効する。最長で約二年、最短で約一年。
この「最長」と「最短」が混ざっている感じが、また人を油断させる。まだ大丈夫な気もするし、もう遅い気もする。こういうあいまいなものに対して、人はだいたい負ける。私も何度も負けてきた。

それにしても、575ポイントというのは、実に私らしい中途半端さだと思う。
5,000ポイントまで貯めれば最大10%還元、などと聞くと、ちゃんと高速に乗って、ちゃんと貯めて、ちゃんと交換する人の背中が遠くに見える。私はその手前で、ちょこちょこ乗って、ちょこちょこ貯まって、危うくちょこっと失うところだった。
こういうところに、人の生活は出るのだろう。大きな失敗はしないが、小さくあぶない。派手さはないが、気を抜くとすぐ何かが消える。私の暮らしはだいたいそういう感じである。

だから年度末にやっておくこととして、ETCマイレージの確認はかなりえらい部類に入ると思う。
なにしろ、もう走り終えた道のぶんが、黙って消えていくのを見るのはさびしい。道路はそこにあるのに、ポイントだけいなくなる。薄情である。
せっかくなので、三月のうちに一度ログインして、失効前のポイントがないか見ておくのがよいのだと思う。大げさな節約術ではないけれど、こういうのは「拾える五百円を拾う」みたいな話なのである。

結局のところ、私たちの生活は、壮大な資産運用よりも、こういう小さな取りこぼしとの戦いなのかもしれない。
575ポイントを前にして、私は妙にしみじみした。
そして同時に、来年の三月にもたぶん似たような顔で「あぶないあぶない」と言っている気がする。人は学ぶ生き物だと言うけれど、ポイントのことに限っては、私はあまり成長していないのである。

ETCマイレージについては「 ETCマイレージとは?還元率・登録方法・年度末のポイント失効対策を解説【最大10%還元】 」の情報を参考にしている。

nimocaからICOCAへ:福岡県民の交通ICカード遍歴とWESTERポイントで関西旅行する話

私は長いことnimocaを使ってきた。
それはもう、特別な理由があるわけでもなく、ただ単に福岡県民だからである。福岡でバスに乗れば西鉄、電車に乗っても西鉄、ちょっと油断するとまた西鉄、という具合なので、nimocaを持つのはほとんど空気を吸うくらい自然なことだった。

しかも昔はポイントが付いた。
電車やバスに乗るだけで、ちょこちょこポイントが貯まるのである。私はこういう「気づいたら貯まっているもの」が好きだ。ポイントというものは、努力して貯めると途端にケチくさい気分になるが、知らないうちに増えていると急に愛おしくなるのである。

ところがコロナの頃だったか、西鉄はポイント付与をやめてしまった。
理由はよく知らないが、とにかく終わった。

その瞬間、私はふと思った。
「あれ、nimocaじゃなくてもよくないか?」

よく考えると、電車やバスに乗るだけならSuicaでもPASMOでもICOCAでもだいたい同じなのである。改札はちゃんと開くし、バスの機械も普通にピッと鳴る。交通ICカードというのは、意外なほど互いに寛容な世界なのだ。

しかも世の中には「チャージでポイントが貯まるカード」というものがある。
交通ではなく、チャージで貯まるのである。なんだかズルい気もするが、ルールの中でズルいことができるのが一番賢いのである。

というわけで、私はコロナの頃にSuicaへ乗り換えた。
当時、iPhoneに対応している交通ICがほぼSuicaしかなかったからだ。
「福岡県民なのにSuica」という、少しだけ背徳的な状態になったが、改札は普通に開くので特に問題はなかった。

むしろ、妙な気分のよさがあった。
なんというか、東京でもないのにSuicaを持っている感じが、少しだけ都会のスパイのようである。もちろんスパイ活動は改札を通ることくらいだが。

しかし世の中は変わる。
今度はICOCAがiPhoneに入るようになったのである。

そこで私は、またあっさり乗り換えた。
理由はシンプルだ。
WESTERポイントが貯まるからである。

ここで一つ問題がある。
私は関西人ではない。
むしろ九州の人間である。

さらに言うと、JR九州ですらない。
JR西日本のポイントを、福岡に住む私がコツコツ貯めているのである。
地理的にかなりねじれている。

しかしポイントというものは、不思議と人間を動かす。
私はそのWESTERポイントを使って、週末に関西方面へ旅行に行くのである。

福岡に住み、JR西日本のポイントを貯め、関西へ遊びに行く。
こう書くと、私は一体どこの人なのかよくわからない。

昔はただ西鉄バスに乗っていただけの人間が、気づけばポイントの流れに導かれて関西へ向かっている。人生とは、わりとこういう小さな仕組みに操られているのかもしれない。

もっとも、そんなことを考えながら改札を通ることはない。
ただiPhoneをピッとするだけである。

そしてまたポイントが少し貯まる。
私はそれを見て、なんとなく得をした気分になる。

冷静に考えると、そのポイントを貯めるために旅行している気もするのだが、そこはあまり深く考えないことにしている。

ポイントの世界というのは、だいたいそういうものなのである。

ICOCAチャージはJ-WESTカード経由お得である。

マックスバリュエクスプレス福岡出店とWAON・iAEON攻略はじめました

近所にマックスバリュエクスプレスができたのである。
徒歩2分。信号にもひっかからない距離だ。これはもう、ほぼ冷蔵庫の延長である。

これまで福岡市民としての私のスーパーといえばサニーだった。
特売のチラシを眺め、「今日はこれが安いのだ」と納得しながら買い物をするのが長年の流儀である。サニーはなんというか、安心感がある。実家のちゃぶ台みたいな存在なのだ。

ところが急に、イオン系の刺客がやってきた。
マックスバリュエクスプレス。スーパー未満コンビニ以上、といった顔をしている。店内はそこまで広くない。品ぞろえも「なんでもある!」とは言えない。だが、たいていの物はちゃんとある。この“たいてい”というのが、実に絶妙なのだ。

牛乳もある。卵もある。冷凍食品もそこそこある。
「まあ、これでいいか」と思わせる力がある。徒歩2分という距離が、すべてを正当化してしまうのである。

問題は、支払いだ。

私はこれまでWAON系をまったく使ってこなかった。
正直に言うと、なんとなく避けていた。理由は特にない。ただ、新しい仕組みを覚えるのが面倒だったのである。ポイント界隈はすでにクレカ積立で頭がいっぱいなのだ。これ以上、脳みその引き出しを増やしたくなかった。

しかし「お得」と聞くと、話は別である。
お得という言葉は、私の理性を軽く飛び越えてくる。気づけば今日はiAEONのアプリをダウンロードしていた。指は正直だ。

だが、ここで早くもつまずく。
WAONとiAEONの違いがよくわからないのである。

カードなのか。アプリなのか。ポイントなのか。
それぞれがそれぞれを名乗っていて、関係性がぼんやりしている。親戚が多すぎる家系図のようだ。誰が本家で誰が分家なのか、私にはまだ見えていない。

レジ前であたふたする未来が、うっすら見える。
「ポイントカードはお持ちですか」と聞かれ、スマホを出し、どのバーコードを見せればいいのか迷い、後ろに人が並ぶ。ああ、想像しただけで汗が出る。徒歩2分の気楽さが、一瞬で消えるのだ。

それでも、せっかく近所にできたのだから、うまく付き合っていきたいと思う。
生活圏というのは、じわじわと変わるものである。昔はサニー一択だった私も、いまやアプリをダウンロードするところまで来た。人は意外と簡単に宗派を変えるのだ。

とりあえず、今日はアプリを入れただけで満足している。
まだ何も得していないが、気持ちだけは前向きだ。

頑張ろう、と小さく思う。
徒歩2分の未来のために、私はWAONの勉強を始めるのである。
どうせまた、ポイントに振り回されるのだろうけれど。

みんなも一緒に勉強しよう(笑)
参考: 福岡で急増中!マックスバリュエクスプレスをお得に使い倒す攻略法とイオンペイ決済ルート

TikTok Lite キャンペーン 14日間チェックイン5000円未達の記録

最近、私の中でちょっとした祭りが起きていた。

その名も、TikTok Liteのキャンペーンである。

なんとアプリを入れて、14日間、毎日チェックインボタンを押すだけで5000円相当のえらべるPayがもらえるという。動画を作れとも言われない。踊れとも言われない。ただ開いて、押す。それだけなのである。

世の中、こんなにやさしくていいのだろうか。

しかも紹介した側にも特典があるらしい。私はすぐに頭の中で計算を始めた。まずは私が人柱になる。そして無事に5000円を手にした暁には、満を持して妻に紹介する。夫婦で1万円。なんなら将来、子どもができたらその子にも。気が早いにもほどがある。

私は小さく、ほくそ笑んだ。

平日は順調だった。通勤電車の中で、吊り革につかまりながらチェックインボタンを押す。カチッ。たったそれだけで、なぜか自分が一歩、資産形成に近づいた気がするのだから不思議だ。実際には何も形成していないのに。

問題は土日である。

土曜日は危なかった。夜になってから、布団に入る直前に「あっ」と声が出た。危機一髪である。眠気と戦いながらアプリを開き、どうにかチェックイン。私は自分を褒めた。こういう小さな努力が5000円になるのだ、と。

そして日曜日。

きれいさっぱり忘れた。

月曜の朝、いつものように誇らしい気持ちでアプリを開くと、「未達成」の文字が、やけに元気よく表示されていた。あんなに小さなボタンなのに、未達成の三文字はやけに大きい。

私はしばらく画面を見つめた。14日間のうちのたった1日。たった1回、押し忘れただけである。それなのに、私の中の5000円は音もなく消えた。

人は大金を失うより、手に入るはずだったお金を逃したときのほうが、妙に悔しいのだと思う。宝くじは買っていないのに、「あの番号を選んでいれば」と言っている人の気持ちが、少しわかった気がする。

それにしても、私は何をやっているのだろう。

チェックインボタンを押すだけの人生設計。しかもそれすら忘れる。人柱どころか、ただのうっかり柱である。妻に紹介する計画は、そっと胸の奥にしまった。

でもまあ、考えてみれば、たった5000円である。いや、たったではないが、命まで取られるわけではない。私は今日も会社へ向かい、ちゃんと働く。ボタンを押し忘れても、仕事は忘れない。たぶん。

そう思うと、少しだけ気が楽になった。

次に同じキャンペーンを見つけたらどうするか。

そのときはきっと、「今度こそ」と言いながら、またアプリを入れるのだろう。人は学ばない生き物なのである。

クレカ積立 即売り ポイント生活と残高不足の攻防戦

最近、私はクレカ積立のいわゆる「即売り」というものをしている。
なんだか言葉だけ聞くと、闇市のにおいがするが、やっていることはわりと地味である。積み立てて、すぐ売る。ただそれだけだ。ポイントがぽつぽつと貯まるのが楽しくて、私は毎月せっせと作業している。

ポイントというのは不思議なもので、現金ではないくせに、現金よりうれしいときがある。ゲームのスコアみたいなものだろうか。数字が増えていくと「私、うまくやっているのではないか」と妙な自信が湧くのだ。

しかし問題はそこではない。

クレジットカードの請求額が、毎月だいたい70万円くらいになるのである。

七十万円。

文字にすると、急に現実味が出てくる。
私はそんなに散財していない。ブランド品も買っていないし、高級なお肉も食べていない。それなのに、請求額だけ見ると、港区あたりで派手に遊んでいそうな金額である。私の生活感と金額のギャップが激しすぎる。

支払い日前になると、急にそわそわする。
銀行口座の残高を何度も確認し、証券口座から資金を戻し、別の銀行に移し、また動かし……と、まるでバケツリレーである。しかも自分一人でやっている。

昔、子どものころにお年玉をいくつかの貯金箱に分けていたことを思い出す。「これは使う用」「これはとっておく用」などと真剣に振り分けていたが、結局どれがどれだかわからなくなって、全部ひっくり返していた。
あれから何十年も経つのに、やっていることがほとんど変わっていないのである。規模だけがでかくなった。

しかも、即売りなので実質的には資金は戻ってくる。理屈では安全なのだ。なのに、残高不足という四文字が頭に浮かぶと、心臓がきゅっとなる。
私はいったい何におびえているのだろうか。自分で仕組みを作っておきながら、自分で怖がっている。自作自演もいいところである。

それでも、月末にポイントがちゃんと付与されているのを見ると、にやっとしてしまう。
「今月もがんばったな、私」と思う。
誰もほめてくれないので、自分でほめるしかないのだ。

結局のところ、私はお金を増やしたいというより、数字を動かしている自分がちょっと面白いだけなのかもしれない。銀行間を右往左往しながら、今日も残高を確認する。

そしてまた来月も、同じようにそわそわするのだと思う。
ポイントは増えるが、肝は小さいままである。

三井住友カードVisa Infiniteで200万円納税?と所得税の現実にひるむ私の話

朝、コーヒーを飲みながらスマホを見ていたら、「三井住友カード Visa Infiniteで実質10万円以上黒字」という文字が目に飛び込んできた。
なんと3月までに200万円利用する予定がある人は、ポイントやら還元やらでウハウハらしい。しかも納税2%還元。200万円を申告納税する人なら、それだけでかなりのポイントがもらえるというのである。

すげー、と思った。

だが同時に、私は静かにスマホを置いた。
私の所得税が200万円もあるわけがないのである。

まず「200万円を納税する人」という言葉が、私の生活圏から完全に浮いている。
200万円といえば、私にとっては「ちょっといい軽自動車」くらいの金額だ。それが税金として消えていく世界。なんだその世界は。別の惑星か。

少し気になって、頭の中でざっくり計算してみた。
所得税200万円ということは、年収はいくらくらいなのだろうか。控除やら税率やらを細かく考えない、私なりの雑な計算でいくと、だいたい年収1,000万円を超えて、もっと上の方の人たちの話なのではないか、という気がする。
「上の方」と書いていて、自分が地面すれすれにいる感じがして少し悲しい。

そういえば子どものころ、年収1,000万円というのは雲の上の存在だった。
「一千万」という響きは、ほとんど「一億」と同じくらい遠かったのである。
駄菓子屋で30円のガムを買うかどうか真剣に悩んでいた私にとっては、1,000万円も1億円も、同じく“買えない金額”という点で大差なかった。

それが今は、カードのキャンペーンで200万円を納税してポイントをもらう世界がある。
世の中というのは広い。広すぎる。

しかし冷静に考えると、200万円を納税できるというのは、それだけ稼いでいるということだ。
税金が高いと嘆きながらも、それだけ払える余力があるわけである。
私はまず、払う税金の額を増やす心配をするより、払う税金が増えるほど稼げるかどうかを心配したほうがよさそうだ。順番が逆なのだ。

それにしても、ポイントが30,000円相当だの、100万円決済で10万ポイントだの、数字が大きすぎて、だんだんゲームのスコアみたいに見えてくる。
私の家計簿の「スーパー 4,382円」という現実味とは、ずいぶん距離がある。

「すげー」と思った気持ちは本物である。
だが同時に、「まあ関係ないな」と思う自分もいる。
この冷めた感じは何なのだろう。負け惜しみなのか、身の丈を知った大人の落ち着きなのか。たぶん前者である。

200万円納税する人はいくら稼いでいるのか。
答えはきっと、「私よりだいぶ稼いでいる人」なのだ。

結局のところ、私は今日もコーヒーを飲みながら、数百円のポイントに一喜一憂する生活を続けるのである。
でもまあ、それはそれで悪くない。

税金が200万円になる日が来たら、そのときは堂々とポイントをもらおう。
今のところは、スーパーの特売で黒字を目指すのが私のVisa Infiniteなのである。

 

dポイントで電話料金を払ったら、人生が1割だけ得した気がした話 ポイントは税の前に立つ

先日、月末恒例の「今月いくら使ったかな…」という、できれば目を細めてやり過ごしたい作業をしていたときのことである。ドコモの料金明細を見て、私はため息をついた。ため息は無料だが、通信料は無料にならない。世の中は厳しい。

そんな中、dポイントで電話料金が払えるという話を思い出した。しかも、期間限定ポイントも使えるらしい。期間限定という言葉には、なぜか夏休み最終日の宿題みたいな切なさがある。使わないと消える。消える前に使わねば、という謎の使命感が湧くのだ。

しかもだ。ポイントを使うと、税引前の金額から引かれるという。私はこの仕組みを理解するのに、少し時間がかかった。昔、算数の文章題で「太郎くんがリンゴを〜」の時点で読む気をなくした自分を思い出す。今も本質は変わっていない。

例えば5000円の料金に1000ポイントを使うと、残り4000円にだけ消費税がかかる。つまり、ポイントがちょっと偉そうなのである。税金の前に出てきて、「ここ、私が引いておきましたから」と言ってくれる感じだ。なんだか頼もしい。

結果として、1ポイントが1.1円くらいの働きをするらしい。私はこの0.1円に、人間の小さな勝利を見た。大金持ちには鼻で笑われそうだが、こちらは庶民代表である。10%増しと聞くだけで、心が軽くなる。

考えてみれば、ドコモ光やドコモでんきにも使えるというのだから、ポイントもなかなかの働き者だ。私よりよほど社会に貢献している気がする。

結局、ポイントを使ったからといって人生が劇的に変わるわけではない。ただ、いつもより少しだけ「私はうまくやった」と思える。その程度で十分なのだ。どうせ通信料は来月も請求されるのだから。

詳しくは「dポイントのお得な使い方を徹底比較 電話料金払い、現金化、マイル交換」を読んでください。大人は説明しないのだ。

これがいいなら全部のポイントと消費税の関係もこうなればいいのにと思った。消費税ゼロパーセントにできるじゃないか。

楽天お買い物マラソン2日目に2%を失った話|0のつく日とエントリー忘れの悲劇

楽天お買い物マラソンの二日目である。私はいつも通り、0のつく日に照準を合わせ、静かに、しかし確実に完走する予定だった。予定だった、というところがもう怪しい。なぜなら今回は、やらかしたからだ。

買い物自体は完璧だったと思う。必要なものを必要なだけ、店もちゃんと分けて、あとはポイントが降ってくるのを待つだけ。ところが、ふと夜になってから気づいた。39SHOP+1%と、楽天カードの0のつく日、どちらもエントリーしていないのである。あとの祭り、という言葉はこういう時のためにあるのだと思う。

思い返せば、昔から私は「エントリー」という作業を軽視しがちだった。クリック一つで済むのに、それを忘れる。まるで玄関に靴をそろえて満足し、肝心の鍵をかけ忘れる人間である。自分でも呆れるが、まあそれが私なのだ。

たかが2%である。計算すれば数百円、場合によってはワンコインにも満たない。そう思おうとするのだが、ポイントというものは不思議なもので、実際のお金よりも精神に与えるダメージが大きい。失ったのは2%だが、気分は20%減くらいなのである。

「確認しなかった自分が悪い」と、頭ではわかっている。わかっているのに、なぜか楽天の画面をもう一度開いてしまう自分がいる。エントリー済みの文字が出ないかと期待しているあたり、往生際が悪い。

結局、私は何も取り戻せなかった。ただ2%を失い、少しだけ学んだ気になっただけである。次は忘れない、たぶん忘れない、できれば忘れない。そう思いながら、ポイント明細を閉じた。たかが2%、されど2%。まあ、今日の私はそれを身をもって知った、というだけの話なのだ。

金額的には数百円だが気持ち的には数千円損した気分だ。
まだ、買い物していない人は「【2026年1月9日~】楽天市場のお買い物マラソンやスーパーセールにおすすめの商品と買い回りの攻略法」などを参考にエントリー忘れせずに買い物してくれたまえ。