二月が近づくと、私は毎年「節分」という言葉に少しだけ身構える。豆をまくとか、鬼が来るとか、そういう行事は嫌いではないが、どうにも人混みが苦手なのである。
今年も例外なく、スマホを眺めていたら、博多の櫛田神社で節分大祭があるという情報が目に入った。日本一の大お多福面、豆まき神事、鬼神楽。文字だけ見ると楽しそうなのに、なぜか腰が重い私である。
櫛田神社といえば、昔、友人に連れられて初詣に行き、人の波に流されるまま参拝した記憶がある。お願いごとをする余裕もなく、気づけば外に出ていて、「私は何をしに来たのだろう」と思った。そう考えると、節分大祭も同じ結末になるのではないかと、余計な想像をしてしまうのだ。
それにしても、日本一の大お多福面というのは、冷静に考えるとかなり大胆である。高さ五メートルの顔の口をくぐることで福が来るらしい。顔の中を通るという発想がすでに面白い。もし私の顔がそんなに大きかったら、たぶん人はくぐってくれないと思う。せいぜい「近づかないでください」と言われるのが関の山だ。
豆まき神事では、年男年女や歌舞伎役者が豆を投げるという。豆を投げるだけで歓声が上がるのだから、スターというのは大変である。私は豆を落としただけで「あ、落とした」と言われる側の人間だ。
さらに鬼が境内をうろうろして、抱きつかれると厄が落ちるらしい。厄を落とす方法としては、だいぶ力技である。私だったら驚いて厄より先に心臓が落ちそうだ。
そんなことを考えながら、結局「行くかどうかは当日の気分で決めよう」と思う私である。どうせ福は、来るときは勝手に来るし、来ないときは大お多福面を三回くぐっても来ない。
節分とは、たぶんそういうものなのだ。


いやー、連日暑いですね。