二月の半ばというのは、寒いのか春なのか判断に迷う時期である。私は毎年この頃になると、厚手のコートを着るべきか、もう少し軽装で粘るべきかで一度は失敗する。そして今年も例に漏れず、そんな判断力の鈍さを抱えたまま、**第32回城島酒蔵びらき**のことを考えていた。
城島酒蔵びらきは、福岡の久留米にある“酒どころ城島”で毎年行われる恒例行事である。九州最大級と聞くだけで、私はもう人混みで酔いそうになるのだが、酒が主役の祭りとなると話は別だ。人は多くても、酒があればだいたい許せるのである。
会場は城島町民の森公園。名前からしてもう健全で、朝九時半から酒のイベントをやる場所としては少し爽やかすぎる気もする。今年は八つの蔵元が参加し、新酒が四十種類ほど飲めるらしい。四十と聞いた瞬間、私は自分の肝臓の顔色を思い浮かべたが、向こうも長年の付き合いなので、たぶん何も言わずに付き合ってくれるだろう。
チケットは十五枚綴りで二千円、お猪口付き。お猪口が付くと、なぜか「ちゃんとした行事」に参加している気分になるのが不思議だ。昔、縁日で金魚すくいをした時も、ポイを渡された瞬間だけはプロになった気がした。結果はいつもゼロだったが。
酒だけでなく、ホルモン焼きやもつ煮込み、そばなどの地元グルメも並ぶらしい。私は「飲みながら食べる」という行為があまり上手ではなく、だいたいどちらかに集中してしまう。結果、気づくと酒だけ進み、食べ物は冷めている。学習能力がない自分に、ここでも軽くため息が出る。
それでも、無料シャトルバスが出ているのはありがたい。西鉄やJRから運んでもらえるというのは、「今日は飲んでいい日なんだ」と公式に認められた感じがして、少し気が楽になる。駐車場に一千円払って飲酒運転防止に協力する仕組みも、なんだか城島らしくて真面目だ。
太鼓や酒造り唄、音楽ステージもあるそうだが、正直、私は酒を飲むと音楽の細かい違いがよく分からなくなる。全部「いい音だなあ」に集約される。それでも不満はない。だいたい、分からなくても楽しめるのが祭りというものだ。
こうして考えていると、城島酒蔵びらきは、酒を飲むイベントというより、「毎年同じように迷い、同じように飲み、同じように少し反省する」ための行事なのかもしれない。今年もきっと私は飲みすぎて、「もう若くないな」と思いながら、来年の開催情報をチェックするのである。まあ、それでいいのだ。
