先日、息子が一泊二日の鉄道旅から帰ってきた。
JR西日本のWESTERポイントで交換できる「全線フリーきっぷ」という、なんとも夢のあるきっぷを使った卒業旅行である。
中学校の卒業祝いに「どこか行きたいところある?」と聞いたら、即座に
「ローカル線に乗りたい」
ときたので、私は思わず笑ってしまった。普通ならテーマパークとか、せめて都会のショッピングモールとかを想像するのだが、うちの息子は電車なのである。
そんなわけで、博多から新大阪までの新幹線を含め、JR西日本のほとんどの電車に乗れるというフリーきっぷを用意した。
これがなかなか豪快なきっぷで、乗ろうと思えばかなり遠くまで行ける。
ただし私は内心、
「まあ、せいぜい岡山くらいまでじゃないのか」
と勝手に思っていた。
ところがである。
帰ってきた息子の話を聞くと、松江だの出雲だの、私の想像よりはるかに遠くまで行っているではないか。
しかもローカル線をいくつも乗り継ぎながら。
親戚の家にも一泊させてもらい、ちゃっかり旅の拠点まで確保している。
中学生のくせに、やけに旅慣れているのである。
松江では、いまNHKの朝ドラの舞台になっている小泉八雲の住まいも見てきたらしい。
写真も見せてもらったが、私は正直なところ、八雲の家よりも息子の撮ってきた電車の写真のほうが多いことのほうが気になった。
どこへ行っても、結局は電車なのである。
そういえば、私が中学生のころはどうだったかと思い出してみた。
たぶん休日は家でゴロゴロして、テレビを見たりゲームをしたりしていたはずだ。
遠くへ行こうなどという発想は、ほとんどなかった。
電車に乗るとしても、せいぜい近所のショッピングセンターである。
それに比べて息子は、時刻表を調べてルートを組み、ローカル線を乗り継いで知らない土地まで行ってしまう。
私は感心しつつ、少しだけ不思議な気分になった。
同じ親から生まれているはずなのに、この行動力の差はどこから来るのだろうか。
もしかすると、私は「面倒だな」と思うタイプで、息子は「面白そう」と思うタイプなのかもしれない。
そう考えると、人生はわりとシンプルにできている気がする。
面白そうと思った人はどこまでも行き、面倒だと思った人は家にとどまる。
私は長いあいだ、わりと家にとどまっている側の人間である。
もっとも、それが悪いとも思っていない。
家でゴロゴロするのも、それはそれでなかなか快適なのだ。
ただ、息子の旅の話を聞いていると、ローカル線というものに少し興味がわいてきた。
ゆっくり走る電車に乗って、知らない町の駅に降りるというのも、案外いいかもしれない。
とはいえ実際にやるかと言われると、たぶんやらない気もする。
私はきっと、
「いいなあ」
と思いながら、家のソファに座っているタイプなのである。
まあ、それはそれで悪くない人生だと思うのだ。
次はいつ「フリーきっぷは取れるのか?」。とのことだ。いいきっぷをありがとうJR西日本。
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— しょうこちゃん@ポイント投資家 (@showchan82) January 12, 2026
