自治体に寄付をすることで、その見返りとしてお礼の品がもらえたうえ、寄付の大部分が減税(寄付金控除)となるふるさと納税について福岡市は大幅な減収になった模様です。
福岡市は昨年度7337万円の寄付を集めたものの、その11倍以上となる8億4612万円の税控除を受けた。ただ、人口増で個人市民税は前年度比29億円増の889億円に上っている。担当者は「うちは返礼品の充実よりも、市の施策に共感した人に寄付してもらいたい」と過熱する返礼品競争に距離を置く構えだ。
引用元:西日本新聞(リンク切れ)
というわけで、福岡市へのふるさと納税(寄付)よりも、福岡市に住んでいる人が寄付をしたことで発生した税収減の方が大きかったというわけのようです。
ふるさと納税は現状、やらないと負ける……
政策的な話になりますが、ふるさと納税という制度には問題も多いです。
そもそも制度趣旨は自分が住んでいる都市に税金を納めるだけでなく、生まれ故郷のように自分を育ててくれた自治体への恩返し。といった大義があったように思いますが、今ではたんなるお礼の品の競争で、お礼の品がいいからそこに寄付(ふるさと納税)するという手段が中心です。
さらに、ふるさと納税が高所得者にとって有利過ぎる件。高い逆進性は問題?で指摘されているように、制度上、高所得者ほど有利(たくさん寄付できる)仕組みになっているので、高所得者に対する事実上の減税になっています。
おそらく福岡市は今年はもっと減収になっている
上記の記事は2015年度分(おととし)の税収の話だとおもいます。一昨年はワンストップ特例がスタートしたふるさと納税元年ともいえる年でした。
そして、2016年(昨年)は多くのふるさと納税関連のサービスが始まりました。
私が関与しているふるさと納税関連のウェブサイトは一昨年と比較して10倍以上に利用者が増えました。
「ふるさと納税のお勧めサイト比較」でも指摘されているように寄付ができるサイトも増え、より身近になってきています。
福岡市のふるさと納税による税収減は相当なものになるんじゃないかと思います。
ちなみに、私自身はこうやって問題だとは思っていますが、使える制度は使って節税するべきで、節税せずに税金を取られるというのはアホらしいと思っています。制度はおかしいと思いますが、使えるものは使います。
私自身は2015年からふるさと納税を始めましたが、お米はふるさと納税で貰った分だけで1年間過ごせてしまったように思います。最近、買った記憶が無いです。
やっぱり、お米とお肉は鉄板ですね!