福岡県自転車条例の自転車保険への加入義務化。どの保険に入ればいいの?

福岡県では平成29年4月より「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が制定されています。自転車の安全運転や子どものヘルメット着用などが謳われていますが、大きな項目の一つに2017年10月1日から自転車損害賠償保険への加入努力義務が盛り込まれています。

今日、福銀に言ったら自転車保険が義務化!みたいに書かれていたので、どういうことか詳しく調べてみました。

大抵の人は個人賠償責任保険に入っている!

まず、自転車に乗るならなんか保険に入る必要があるの??と思われるかもしれませんが、たいていの方は、個人賠償責任保険に入っていると思うので加入は不要です。

条例における加入の努力義務は下記のようになっています。

自転車損害賠償保険※ 加入の努力義務化(10月1日から)

  1. 自転車を利用する者(子どもが利用する場合はその保護者)
  2. 事業活動において、従業員に自転車を利用させる事業者

※事故の相手にケガをさせたり、物を壊したりして、損害賠償金などを負担した場合の損害を補償する自転車損害賠償保険は、下記のとおり日常生活でのものと、業務中のものとがあります。中には、被保険者のケガの補償まで対応する「傷害保険」がセットになっているものや、自転車そのものにかける保険(TSマーク付帯保険等)があります。

たとえば、個人の場合は「個人賠償責任保険」っていう保険があります。

個人賠償責任保険というのは、日常における第三者に対する賠償責任をカバーしてくれる保険です。この範囲には自転車で人にケガをさせるというものも含まれています。

※ただし、日常利用の範囲内です。自転車を使って仕事をしている場合は対象外です。(通勤はOK)

大抵の人は入っているというのは以下のような保険に「セット」で付けられていることが多いからです。

  • 火災保険(賃貸マンションの保険を含む)
  • 自動車保険

対象になるのは家族も含まれるので、たとえば、自宅で火災保険(総合保険)などに入っていれば個人賠償責任保険の範囲はその家に住む人になります。

なので、あえて自転車保険に入る必要性はない人も多いはずです。無駄に保険に入るのは保険料がもったいないですからね……。

専用の自転車保険が必要なケース

一方で専用の自転車保険には個人賠償責任保険の範囲よりも広い補償がセットされていることが多いです。

  1. 仕事中の自転車事故も補償対象
  2. (保険による)自分自身のケガについても補償
  3. (保険による)ケガをさせた相手との示談交渉付き

特に、通勤以外で仕事で自転車を使うのであれば個人賠償責任保険の範囲を超えていますので、専用の自転車保険に入ったほうがいいかもしれません。

(2)と(3)については自転車保険によって異なります。通常の個人賠償責任保険には示談交渉はセットになっていないので、被害者との損賠賠償に対する交渉はあなた自身が行うか、別途弁護士を立てて話す必要があります(弁護士費用はあなた持ち)。

示談交渉がセットされていれば被害者との間での賠償に対する話し合いは保険会社が代行してくれます(相手に拒否されなければ)。

 

というわけで、福岡県における自転車保険への加入義務についてはご自身が入られている保険(火災保険など)も確認の上で、入るべきか入らないでいるべきかを考えていただくとよいかと思います。