ソフトバンク iPad A16 月額160円レンタルが過去最安だった話

最近、ソフトバンクの「iPadが月160円」という話を見かけて、私は思わず二度見してしまった。
月160円である。

160円といえば、自動販売機のジュースと同じくらいの値段だ。ジュースを飲むか、iPadを持つか。なんだか選択肢としておかしい気もするが、数字だけ見るとそういうことになる。世の中というのは時々、変な比較を生み出すものなのである。

実は私は、このセールにすでに一度飛びついた人間である。
前々回のセール、つまり「月300円」のときだ。

そのときも「安いなあ」と思った。iPadが月300円。これもだいぶ意味がわからない。
私はそのとき、ちょっとした興奮状態で申し込みボタンを押した記憶がある。

人間というのは不思議なもので、「安い」と思った瞬間、冷静な判断力がどこかへ行く。
私の場合、その判断力はたいてい冷蔵庫の奥あたりに置き忘れられている。

とはいえ、その300円のセールもかなり人気で、期間中に売り切れになった。
「やっぱりみんな考えることは同じなんだなあ」と妙に安心したものである。

ところが今回。
なんと月160円。

私は一瞬、自分の契約書を見直した。
「え、私300円払ってるんですけど?」
と、誰に言うでもなく心の中でつぶやいた。

まあ、こういうことは人生にはよくある。
昨日買ったものが今日安くなる。
昨日食べたラーメンのほうが高かった。
そういう小さな敗北を、人は静かに飲み込んで生きていくのである。

ちなみにこの160円の仕組みは、わりと単純だ。

iPad(A16)128GBの通常価格は105,840円。
しかしスプリングセールの新規契約割引で43,920円引きになる。

さらに「新トクするサポート+」を利用して2年間使い、最後に返却する。
そうすると、実質の端末負担額は3,840円。
つまり月160円になるわけだ。

この手の仕組みは、最初はちょっとややこしく感じる。
私は最初、「なにか見落としているのではないか」と疑った。
世の中そんなに甘くないのではないか、と。

しかし調べてみると、iPad(A16)は特典利用料が無料に設定されている。
つまり返却時に最大22,000円みたいな料金が発生しない。

破損などがなければ、普通に返すだけでいいらしい。

この「破損がなければ」という条件を見たとき、私は少しだけ自信がなくなった。

なぜなら私は、わりと物を落とすタイプの人間だからである。

スマホも落とす。
財布も落とす。
家の鍵も落とす。

この調子だと、iPadもいつか落とすのではないか。
そんな未来がうっすら見える。

とはいえ、月160円という数字を見ると、細かい心配はどこかへ飛んでいく。
人間はだいたい、数字に弱いのである。

しかも前回のセールは550円、前々回は300円だった。
つまり今回が「過去一番安い」。

こういう言葉を見ると、また心がざわつく。
限定。
過去最安。
売り切れ。

この三つがそろうと、人はだいたい急ぐ。
冷静な人でも、少しだけ急ぐ。

そして私は思う。
もしまた次回のセールが来て、月80円とかになったらどうしよう、と。

そのとき私はきっとまた、契約書を見ながら小さくつぶやくのだろう。

「私、300円なんですけどね」

まあ、そんなことを言いながら、今日もそのiPadで動画を見ている。
結局のところ、使っている本人が満足していれば、それでいいのかもしれない。

そう思うことにしているのである。